目次
電気代の高騰が続いているなかで、太陽光発電やFIT制度に関心を持っている方も少なくありません。
太陽光発電を導入した家庭の多くが活用しているのが、FIT制度です。FIT制度とは固定価格買取制度のことで、発電した電気を一定期間にわたって一定価格で買い取ってもらえる制度です。
本記事ではFIT制度について紹介します。概要やメリットだけでなく、FIP制度との違いも解説するので、自分に合った制度を探している方の参考になれば幸いです。
FIT制度(固定価格買取制度)とは

FIT制度とは、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取る制度です。
本制度は国が義務づけており、正式名称は固定価格買取制度です。
価格があらかじめ決まっていることから、太陽光発電を初めて導入する家庭でも利用しやすい仕組みとして、広く活用されてきました。
FIT制度が導入された目的や背景についても詳しく紹介します。
目的
FIT制度の目的は、再生可能エネルギーの普及を促進することです。太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、環境に優しい一方で設備導入に初期費用がかかるという障壁がありました。
FIT制度は決まった価格で買い取る制度を用意することで、導入時の不安を取り除いたり、初期コストの回収の見通しを立てたりして工夫しています。
導入を検討している家庭でも、太陽光発電システムの採用に積極的になりやすいというメリットがあります。
月々の電気料金を抑えられる仕組みであるだけでなく、災害時に強いとされる太陽光発電を身近に導入できる点は各家庭にとってもメリットといえるでしょう。
導入された背景

資源エネルギー庁のデータによると、2022年度の日本のエネルギー自給率は11%台にとどまっており、先進国のなかでも低い水準です。
その背景には、日本が火力発電に必要な燃料の多くを海外からの輸入に頼っている現状があります。
エネルギーを自国だけでまかなうことが難しいだけでなく、国際情勢によって左右される点や資源価格の変動も問題です。将来にわたって安定的に燃料を確保できるとは限りません。
こうした課題を解決する手段として注目されているのが、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーです。
再生可能エネルギーは、海外から燃料を輸入する必要がないため、エネルギー自給率が改善することが期待されます。また、二酸化炭素の排出量を抑えられるというメリットもあります。
一方で、発電設備の導入や維持には一定のコストがかかる点は障壁でした。企業や一般家庭にとっては導入のハードルが高く、普及に支障をきたしていた側面が否めません。
そこで導入されたのが、FIT制度です。
発電した電気を一定期間、安定した価格で買い取る仕組みを整えることで、導入時の経済的な不安を軽減することが可能です。
対象となる再生可能エネルギー
FIT制度の対象となる再生可能エネルギーは、以下のようなものがあります。
- 太陽光発電
- 風力発電
- 水力発電
- 地熱発電
- バイオマス発電
このなかでも、一般家庭が導入しやすいのが太陽光発電です。省スペースで手間がかかりにくい点が導入しやすいポイントといえるでしょう。
FIT制度(固定価格買取制度)の仕組み

FIT制度とは、太陽光発電などで発電した電気のうち、自宅で使いきれなかった分を電力会社が買い取る仕組みです。買い取る期間や価格はあらかじめ決められています。
発電した電気はまず、家庭内で使用されるのが一般的です。これを自家消費といいます。自家消費したうえで余った電気が自動的に売電に回る仕組みです。
売電価格は国によってあらかじめ決められています。原則として契約期間中、契約時の価格が適用されます。また住宅用の太陽光発電の場合、買取期間は原則10年間です。
電気代の削減と売電収入を同時に得られる点が、FIT制度の大きな特徴です。
FIT制度(固定価格買取制度)を利用するメリット

FIT制度のメリットは、金銭面と環境面の二つに分けられます。
発電した電気を売ることで収入を得られる点や電気代を抑えられる点は、家計に直結するわかりやすい魅力です。
一方で、太陽光発電を通じて電力の自給率の向上という社会的なメリットを享受できる点も魅力です。
具体的なメリットを順に解説します。
売電しやすい
FIT制度では、太陽光発電でつくった電気のうち、家庭で使いきれなかった分を電力会社が一定の価格で買い取ります。
販売先を探したり価格交渉を行ったりする必要がなく、設備を導入すれば収入を得られる点が特徴です。初めて太陽光発電を取り入れる家庭でも少ない負担で活用できる仕組みといえるでしょう。
また、初期投資のかかる太陽光発電で、安定した収入が期待できる点も大きなメリットです。
電気代を削減できる
太陽光発電でつくった電気は、まず自宅で消費されるため、電力会社から購入する電気の量を減らすことができます。電気の購入量が抑えられることから、毎月の電気代を抑える効果が期待できるでしょう。
また、電気料金単価や燃料費調整額が高騰した場合には電気代の削減効果が大きくなります。そのため将来に備えた太陽光発電設備の導入につなげたいと考える方が少なくありません。
電力自給率の向上につながる

太陽光発電を導入することで、家庭単位で電気を生み出せる点も大きなメリットです。
日本全体というスケールで見ると、海外からの燃料に依存しない電力を増やすことにつながり、電力自給率の向上に貢献することができます。
また家庭という視点で考えると、自宅に電力供給源があることで、災害時や緊急時に電力を確保しやすいというメリットにつながるでしょう。日中であれば太陽光発電によって最低限の電力をまかなえる可能性があります。
日常生活でのメリットを享受しながら、日本のエネルギーに対する課題にも目を向けられる仕組みです。
二酸化炭素の排出低減に貢献できる
太陽光発電は、発電時に二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーです。自宅で使う電気を太陽光でまかなうことで、化石燃料に依存している電力の使用を減らすことができます。
化石燃料による発電から再生可能エネルギーによる発電に切り替えることで、二酸化炭素の排出を抑えられる点は、社会貢献の一つといえるでしょう。
環境への配慮と快適な暮らしを両立できる点は、ZEH住宅をはじめとした次世代の住まいづくりにおいても重要なポイントです。
ZERO電生活では、住まい全体のバランスを考えながらライフスタイルに合ったエネルギープランをご提案しています。
光熱費を抑えながら快適に暮らしたいといった要望にも耳を傾けます。エネルギーパートナーであるZERO電生活へ、ぜひ一度ご相談ください。
FIT制度(固定価格買取制度)のデメリット

FIT制度にデメリットはあるのでしょうか。FIT制度を活用し太陽光発電を導入しようと検討する場合には、よい面だけでなく注意点も理解しておくことが重要です。
FIT制度では、制度の内容そのものだけでなく電力を取り巻く環境も変化しているため、以前と同じ感覚で判断してしまうことは避けるべきでしょう。
思っていた制度と違ったと感じてしまうケースも少なくありません。
FIT制度を利用するうえで知っておきたい代表的なデメリットについて整理していきます。制度の利用を検討する場合には、事前に確認しておくことをおすすめします。
FIT価格が下がるリスクがある
FIT制度では太陽光発電を導入する時期によって売電単価が異なるため、注意が必要です。なお売電価格は国によって毎年見直されています。実際、制度開始当初と比べると、FIT価格は年々引き下げられています。
2014年度の売電価格は10kW以下の太陽光発電で37円だったのに対し、2025年度は15円まで引き下げられました。
以前は売電収入を主目的に太陽光発電システムを設置していたケースがあった一方で、現在はそのような考え方は成り立ちづらくなっているといえるでしょう。
これから導入を検討する場合には売電収入で利益を享受するよりも、自家消費で電気代を抑えるほか、電力価格の高騰に備える視点が重要です。
再エネ賦課金がかかる

再エネ賦課金という料金をご存知でしょうか。再エネ賦課金は、FIT制度を支えている仕組みのひとつです。
すべての電気利用者が電気料金とあわせて負担している費用で、再生可能エネルギーの普及を目的としています。
電力会社から電気を購入する分の電気料金には再エネ賦課金が発生することから、太陽光発電を導入している家庭も負担している可能性があります。
制度全体の仕組みを理解したうえで、導入効果を考える必要があるでしょう。
卒FIT後の運用を検討する必要となる
FIT制度には買取期間が決められており、住宅用の太陽光発電では原則10年間です。買取期間が終了すると同じ条件で売電を続けることはできなくなります。
これを卒FITと呼ぶことがあります。卒FITを迎えた後は売電価格が大きく下がることが多く、売るよりも自宅で使った方が、メリットが大きくなるケースも少なくありません。
一方で太陽光発電システムそのものの寿命は10年より長いケースが多いことから、設備を導入する段階で、卒FIT後を想定しておくことが重要です。
卒FIT後には蓄電池を併用するといった方法で、自家消費に重点を置いた活用も選択肢となることから、事前に想定しておくとよいでしょう。
FIT制度(固定価格買取制度)終了後の選択肢

FIT制度の買取期間が終了すると、これまでと同じ条件で売電を続けることはできなくなります。
制度開始から現在の買取価格が下がっていることを踏まえても、売電単価が下がるケースが多いと考えておくべきでしょう。
卒FIT後は、発電した電気を引き続き売るか自宅で使うかという方向性から、運用方法を考えていくことになるでしょう。
売電を続ける場合は、売電先や仕組みを見直すことで収益確保につながる場合があります。自家消費を中心に切り替えることで、電気代の削減やエネルギー効率の向上を目指すこともできるでしょう。
ライフスタイルや住まいに合わせて活かし方を検討することをおすすめします。ここではそれぞれの選択肢を解説します。
すでにFIT制度を利用している方だけでなく、これから利用しようと検討している方にも参考になれば幸いです。
オフサイトPPAで売電する
オフサイトPPAとは、発電した電気を自宅以外の場所で利用したり販売したりする仕組みです。
設備を所有したまま、発電した電気を企業などに供給することが可能です。卒FITを迎えたものの引き続き売電を続けたい方にとって、新たな売電手段として注目されています。
オフサイトPPAを活用する場合には、条件や契約内容はケースごとに異なるため、事前に調べてから活用することをおすすめします。
特に太陽光発電システムは耐用年数の長い設備であるため、少しの条件の違いが年単位で大きな差となる可能性があるため、慎重に検討するとよいでしょう。
売電先を新電力会社に変更する

卒FIT後も、電力会社と契約し売電を継続することは可能です。
売電価格が下がってしまう可能性が高いものの、複数の事業者で比較するといった方法で、よりよい条件の売電先と巡り合える可能性があるでしょう。
このようなケースでは、自家消費との組み合わせを検討することも選択肢にしておくことをおすすめします。
自家消費する
売電価格が下がることをきっかけに、自宅で使用することを検討するケースもあるでしょう。
これまで売電していた電気をできるだけ自宅で使うことで、電力会社から購入する電気を減らし電気代の削減につなげられます。
ZEH住宅のように省エネ性能の高い住まいと組み合わせることで、太陽光発電の効果をより最大化しやすくなるでしょう。
ZERO電生活では、住まい全体のバランスを考えながらライフスタイルに合ったエネルギープランをご提案しています。
初めての方でも不安なく検討できるよう、わかりやすい説明と明確なプラン提案を大切にしています。まずはご家庭の状況を伺いながら、無理のない導入方法を検討しませんか。
エコキュートを設置する

自家消費で効率的に電力を使用するために、エコキュートを導入することも有効な選択肢です。エコキュートは電気を使ってお湯をつくり、タンクにためておく給湯設備です。
お湯を多く使用する夜間には太陽光発電をそのまま活用することができません。エコキュートを使用することで、日中に太陽光発電で得た電気を使ってお湯を沸かすことができ、効果的に電気を使用できます。
このようにより使いやすい仕組みを取り入れることも選択肢になりうるでしょう。
FIT制度(固定価格買取制度)とFIP制度との違い

近年は太陽光発電の売電制度としてFIP制度という仕組みも導入されています。FIT制度は国が定めた固定価格で電力を買い取る制度ですが、FIP制度は市場価格と連動して売電収入が変動する点が特徴です。
FIT制度では売電価格が安定し長期的な収支計画を立てやすいのに対し、FIP制度は価格変動の影響を受けやすく、市場動向を見なければならないという特性があります。
普段のライフスタイルや電力の使い方によって、どちらの制度を選ぶべきかは異なります。それぞれの制度の特性を知り、適切に選択できるとよいでしょう。
太陽光発電を導入するならFIT制度(固定価格買取制度)を活用しよう

FIT制度は、太陽光発電を売電収入や電気代削減といったメリットにつなげやすい仕組みです。
近年は売電価格が下がってはいるものの、自家消費を中心とした運用や卒FIT後を見据えた設備選びによって、活用方法を見出すことができるでしょう。
住まいやライフスタイルに合った使い方を検討し、よりよい方法で再生可能エネルギーの活用を考えてみませんか。
ZERO電生活では、太陽光発電だけでなくエコキュートや蓄電池といった幅広い視点で、無理のないエネルギープランをご提案しています。
まずはご相談を通じて、再生可能エネルギーの活用を身近に感じられたら幸いです。